「現像をさらす」というタイトルのくせに、前回は撮影時の適正露出を探究する内容になってしまった。今回は初心に帰って、同じ時に撮った写真を題材に、徹底的に「現像をさらし」てみようと思う。
この写真も実は露出を変えて3枚撮っていて、補正値はそれぞれ-2.67,-3.00,-3.67となってる。どんだけマイナス指向が強いんだ!?そのうち題材に使ったのは-2.67の写真。でも実は、現像でメインの露光量(露出補正)は触ってない。てことは、これが適正? いやまぁこの辺りは今後の撮影でしっかり検証していくつもり。
今回はこの写真の現像の過程を、ひとつひとつ細かく追って行く。
1.ハイライト領域を広げる
これ、ここでよく使う表現だけど、具体的には2つの数字を触ってる。
- ハイライト(明るい領域)を下げる。
- 白レベル(最も明るい領域)を上げる。
これで明るい範囲をグイッと広げてやる、ということ。左上の明るい部分に注目ね。
2.シャドウ領域を広げる
同様のことをシャドウ部に対しても。具体的には、
- シャドウ(暗い領域)を上げる。
- 黒レベル(最も暗い領域)を下げる。
これで暗い範囲も広げてやる。ちなみに上記1.と2.を両方強めに施してやるとHDR風の写真になる。今回はそんなに強くはやってない。右側の暗い部分に注目。
3.ノイズを軽減
-2.67なんて極端なマイナス補正してる所為か、最初っからかなりノイズがある。結構目立つのでこれを補正してやる。わかりづらいので拡大したスクリーンショットで。
4.シャープネスを調整
ノイズを軽減すると代わりに解像感が減る。なのでシャープネスを上げる。この2つは相関関係にあるのでどこかで折り合いをつけるしかない。
5.ホワイトバランスを調整
本来最初の方でやるべきかも知れないけど、今回は暗い写真なので後回しにした。
6.彩度を調整
朝の無彩色な雰囲気を残すなら足す必要はない。と言うか、ハイライト領域やシャドウ領域を広げると自然に彩度が上がるので、帳消しにするためにはむしろマイナスにすべきかも知れない。今回は、ほんの気持ちプラスした。ほんの僅かなので、下の比較画像では違いがわからないかも。
7.テクスチャ・明瞭度を調整
明瞭度を下げて、テクスチャを上げた。気持ちとしては、海面の模様を少しはっきりさせつつ、全体の線(輪郭)は細く保ちたい、と言ったところ。
8.ビフォーアフター
全体を通して、現像の前後を比較するとこんな感じ。
ここまでやっといて今更だけど、ちょっと地味過ぎた?いやきっと、この微細な差が、観る人の印象を大きく変えるのさ。ホントにホント。(そう信じてる。)