毎週月曜日更新のつもりだった「現像をさらす」。急遽、モノクロについて書いたので、よろしければお付き合いを。
写真を撮るのは好きだけど、ハナからモノクロで撮ろうとは思わない。必要に迫られたとき、カラーで撮った写真をモノクロにする。それはどんなときか?例えば。
- 感度を上げ過ぎてノイズまみれになったとか。
- 雰囲気を壊してしまうほどの強い色が存在したとか。
- 自分のプロフィール写真のアラを隠したいとか。
- モノクロの印刷物に使う必要が出てきたとか。
現像ソフトで、カラー写真をモノクロ写真にするのは、ワンボタン。例えば Photoshop Lightroom Classic だと、写真を選んでキーボードの[v]を押す。それだけでモノクロ写真になる。でも実は、モノクロって決して一種類じゃない。というかむしろ種類は無限大。セピア調とか青写真風とかのことを言ってるんじゃないよ。カラーをグレースケールに変換する方法が無限だってこと。
これが一種類だと困ることがある。
- 例えば、緑の葉っぱの中に赤い実がチラホラ。輝度(明るさ)が同じ場合、そのままグレースケールにすると、グレーの実がグレーの葉っぱに埋もれてしまう。それじゃあ絵としてつまらない。
- 例えば、青空バックに黄色いハンカチがはためいてる。モノクロではどんな風に表現したい? やっぱり濃いグレーの空をバックに、白っぽいハンカチをはためかせたいよね。
フィルムカメラ時代にモノクロ写真をやってないので詳しくは知らないけど、そういう表現のために黒白用フィルターってのがある、らしい。もちろん撮影時に使う。で、今は、似たような処理を現像ソフトで再現できる。昔は「チャンネルミキサー」とか言ってたけど、Lightroom Classicでは「白黒ミックス」ってなってる。レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、アクア、ブルー、パープル、マゼンタの、8色それぞれを±100の範囲でスライド調整することで、いろんなモノクロ写真が出来上がるってわけだ。
いやぁ〜、サンプルに使う写真、探した探した。1枚目は2008年5月11日撮影。モノクロにしたあと[自動補正]を押してみた。
うん、まぁ悪くはないけど、ちょっと待って。2歳児らしい服のカラフルさがイマイチじゃない?赤と青と緑がほとんど同じトーンに見えてしまうし黄色も目立たない。そこで色毎に輝度を変えてみたのがコッチ(右)。肌色を明るくしたかったので赤は黄色の次に明るくした。
ん〜、まぁどっちが良いかは、好みの問題か?、えっと、次のはもっと分かりやすいよ。2008年5月20日撮影。さっきと同じく[自動補正]に任せてみた。
いや、さすがにコレはない。この[自動補正]ってのが一体どういうロジックなのかは、謎。で、肌色をグッと明るく、青空のトーンを逆に程よく落としてみた。
絶対こっち(右)でしょ。っていうかまぁ、そもそもこの写真たちをモノクロにする必要性はないんだけど。
その昔、息子が通う小学校のPTA広報紙を見てショックを受けた。折角の印刷(コピーとか輪転機とかじゃなく)なのに、載ってる写真たちがちょっとひどい。もうちょっと何とかならんもんか?と。それがDTPに手を出したキッカケのひとつ。ちゃんと写真にこだわった印刷物はそらもう、うっとりするて。
私、ベースはカメラマンですが、印刷物もお任せを(営業)。あ、ちなみにモノクロだと、コート紙よりもマットコート紙の方が断然良いです。オススメです。